こんにちは。4号機です。
さて、なんとこの度弊社コンサルロケッツは
フレックスタイム制
を導入いたしました!!
ということで、今回は「フレックスタイム制」についてご案内します。
そもそも「フレックスタイム制」について、聞いたことはあるけれど内容は知らないという方も多いと思います。弊社で導入する前までは自分もそうでした。ということで、ここで一度フレックスタイム制についておさらいしておきましょう!
フレックスタイムってそもそも何なのか?フレックスタイム制の「メリット」「デメリット」、そして(自分は今のところ賛成派ですが)フレックスタイム制への「反対意見」、さらに「フレックスタイム制」を悪用した事例までご紹介。
目次
「フレックスタイム制」とは(おさらい)
知っているようで知らない「フレックスタイム制」。
実は日本では1987年の労働基準法改正により翌年88年4月から導入された経緯を持つ、わりと古い制度の一つなのです。
労働時間を労働者自身が決定できる制度
「フレックスタイム制」とは、以下のような働き方のことです。
ざっくりいうと「働く時間を自分で決めてくださいね!」という制度のことです。
とはいえ、全く自由に決めることができるのではなく「1箇月以内の一定の期間の総労働時間を定めて」おき、その総労働時間の範囲において自分の労働時間を決めることができるというわけです。
また、フレックスタイム制を導入している企業では「コアタイム」を取り入れることがあります。
■ *1「フレックスタイム制の適切な導入のために」東京労働局労働基準部・労働基準監督署/2014.3
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/library/2014318104110.pdf
「コアタイム」を設けることが多い
「コアタイム」とは、1日の労働時間のうち「必ず勤務すべき時間帯」のことです。弊社でも「コアタイム」を設定しています(11:00〜16:00)。
お客様とのご連絡や、社内でのやりとりを円滑に行うにあたり弊社では「コアタイム」が必要だと判断し設けているわけですが、しかし「コアタイム」は必ず設定しなければならないわけではありません。フレックスタイム制を導入しつつもコアタイムを設けていない企業も存在します。ちなみに「コアタイム」以外の時間帯を「フレキシブルタイム」と呼ぶ場合が多いようです。
「フレックスタイム制」のメリット
自由に働けるなんてステキ!そんなイメージが漠然と漂う「フレックスタイム制」。
では具体的に「フレックスタイム制」のメリットはどこにあるのでしょうか?
勤務時間を「個人の裁量で管理」できる
やはり「フレックスタイム制」のいちばんのメリットは「勤務時間を個人の裁量で管理」できる点にあるでしょう。
弊社でも11:00〜16:00のコアタイムにさえ出勤していれば、あとは何時に出社・退社しようが問題ありません。
「昨日納品の案件がひと段落したから、今日は16:00で帰りたい」
「子どもの送り迎えがあるので、すこし遅れて出社(早めに退社)したい」
「家族の介護の都合上、遅めの出社(早めの退社)が必要な日がある」
「地獄の通勤ラッシュを避けて出社したい」
「今晩は家族団欒の夕食を楽しみたい」
などなど、主にプライベートのために時間をつくることができるのが「フレックスタイム制」の最大の利点といえるでしょう。
特に東京勤務の場合、朝の通勤ラッシュ時間帯はまさに地獄。地獄of地獄。この時間帯を避けることができるだけでもストレスをかなり軽減することができます。
また、弊社コンサルロケッツには既婚者や絶賛子育て中の社員(男性含む)も多く、自分の都合ではなく「家族の都合」でどうしても早く帰らなければいけないことがあります。そういう場合にも「フレックスタイム制」があればわざわざ「すみません今日はちょっと早めに帰宅しなければいけないんです・・・」といったお伺いを立てることなく気兼ねなく帰宅できるため、仕事もプライベートも円滑に進めやすいというメリットがあります。
業務への集中力が「自然と」増す
「フレックスタイム制」では、コアタイムが終了すれば帰宅してもOK。
とはいえ(残念ながら?)仕事の総量が減るわけではありません。つまり、制度上「早く帰ることができる」からといって、必ずしも「早く帰ることができるわけではない」というのが現状だとおもいます。
しかし、例えば弊社の場合16:00を過ぎれば帰宅できるわけですから「今日は16:00までに仕事を終わらすぞ!」と目標を設定すれば、たとえ16:00ピッタリは難しかったとしても、普段よりも数時間早く帰宅できるだけの「集中力」を発揮することができるものです。
日本の多くの企業では、まだまだ「遅くまで残っている人=頑張っている人」という考えが根強く残っているようですが、決してそうではありません。フレックスだからこそ可能な「早めの帰宅時間」という目標を定め、業務の効率化を図ることで、業務への集中力が「自然と増す」環境を生み出すことができるのです。
なんかカッコいい
たとえば友人・知人に「うちの会社、フレックスなんだ」と言うと「お、めっちゃいいじゃん!」みたいな反応が返ってくることが多いでです。
つまり「フレックス=自由に働ける=カッコイイ!」なのです。
その名称は知っていたとしても、まだまだ日本では馴染みの薄い「フレックスタイム制」。その制度を自分の会社がを導入していることにより「周りから羨ましがられる」あるいは「自分もなんかそう言うことでカッコいいことを言っている感じになれる」という、よくわからない優越感に浸ることができます。
「フレックスタイム制」のデメリット
しかし「フレックスタイム制」は、良いことばかりではありません。
事実、いちどフレックスタイム制を導入したにもかかわらず廃止するというケースも多く見られるようです。
社内外の「コミュニケーションに支障」をきたす
フレックスタイムのデメリットとして挙げられているのが「社内外のコミュニケーション」が取りづらい、という点です。
たとえば、社員Aの都合上10:00に会議を始めたいと考えていても、社員Bが11:00に出社するなど出社時間がバラバラだと時間の都合が取りづらいというのは事実です。
また、お客様の会社が10:00始業にもかかわらず担当がまだ出社していないことがあると、お客様にとっても都合が付きづらいケースが発生します。
また、伊藤忠も過去にフレックスタイム制を導入していたものの現在は廃止し「朝方勤務」を推奨しています。商社という都合上、取引先が朝方に忙しいケースも多いようで、その対応が「フレックスタイム制」では間に合わなかった点が大きいようです。
*社内外業務を円滑に行うため「コアタイム」を設け、その時間帯にできる限りの対応を行うことで解消を図ります。
*とりわけ社内のコミュニケーション問題に関しては、制度内容の周知や運用がうまくいっていないという課題が挙げられるでしょう。
■伊藤忠商事の働き方改革
http://career.itochu.co.jp/student/company/environment.html
個人の「裁量」に任せるところが大きい
「フレックスタイム制」のメリットでもある「個人の裁量」ですが、これが逆にデメリットとなるケースもあるようです。
たとえばコアタイムが11:00〜16:00だったとしても、時間にルーズな社員の場合、遅刻することが増えたという声も聞きます。
「11:00までに出社すれば良いんでしょ?だったらちょっとくらい寝坊できる!ラッキー!」などという考えでは、11:00に遅刻してしまうというケースだって招きかねません。
また会社の定める「1箇月以内の一定の期間の総労働時間」を下回るといったケースもあるようです。
*弊社ではこうした「合理的理由がないにもかかわらず、所定労働時間と実労働時間との間にしばしば著しい過不足」が発生した場合、その社員をフレックス勤務制の適用から除外することで対応します。
現実的に「導入可能な職種に制限」がある
フレックスタイム制は職種によって導入の「向き不向き」があるのが事実です。
たとえば導入に向いているのはデザイナーやエンジニア、研究職などの業種に携わる労働者でしょう。このような人たちは、ある程度自分の裁量で働くことが可能なため「今日はここまでやって、残りは明日に回そう」などといった考え方が取りやすい職種です。
しかし「営業職」や「店舗スタッフ」ほか、他部署、他企業との連携の多い職種だと、相手側の営業時間に左右されることも多いため、現状の日本ではフレックスタイム制の導入には不向きであると言わざるをえません。
*弊社では、制度適用対象者であれば職種を問わずフレックスタイム制が適用されます。
「フレックスタイム制」への反対意見
個人的には「フレックスタイム制」に賛成派ですが、しかしこのような働き方に「反対」だという意見も、もちろん存在します。
以下にいくつか「フレックスタイム制」に反対する意見も見てみましょう。
いまの自分には必要ない/現状で満足している
まず「いまの自分には必要ない」という意見です。
たとえば独身の場合や、自宅から勤務先が近いなど現状でもある程度、自分の裁量で仕事とプライベートの時間を確保できているという方が多いのだと推測します。
ただこうした意見の方々も例えば「結婚したら」「家族の介護が必要になったら」「子育てするようになったら」など、「将来的に生活スタイルが変化するようになったら必要である」と考えているケースも多いようです。
制度の内容がよくわからない
これは細かく言えば「反対」でも「賛成」でもない「どっち付かず」の意見でしょう。
そもそも制度の内容を把握していないため、賛成も反対も意見がないのは当然のことです。
ただ個人的には、賛否はともあれ今そのような働き方に対する意見すらないという現状を、もう少し見直してみたほうが良いとは感じますが…。
規則正しい生活スタイルを保てなくなる
フレックスタイム制を導入すると「規則正しい生活スタイルが保てない」という意見です。
決まった時刻に出社して、決まった時間に退社するという生活スタイルが身についている人にとって急に「自由にしていいよ」と言われても、どうすれば良いのかわからないのかもしれません。
個人的には、たとえフレックスを導入していたとしても、こうしたスタイルを保ちたいのであればそうすれば良いだけの話だと思うのですが…。
遅い出勤の人の業務に付き合わされる
たとえばAさんは朝9:00に出社して「今日は18:00に帰ろう!」と考えていたにもかかわらず、11:00に出社したBさんが17:30頃になってAさんに「いまからミーティングできる?」など業務を振ってくるケースが生じたとします。
ミーティングともなると、最低でも1時間は取られてしまうので想定していた帰宅時間を超えてしまうという不安がAさんには生じます。
もちろん、業務の都合上どうしてもそうしなければならないケースだってあるでしょうし難しいところですが、もうみなさんも大人ですしそこはTPOに合わせて行動できるようになりましょう(可能であればその時はきっぱり断り、別日で調整するのが理想でしょう)。
他の社員の迷惑になる
たとえば自分が遅い時間に出社(早い時間に帰宅)してしまうと、その時オフィスに残っている他の社員の迷惑になるのではないか?という意見です。
たしかに、そのように考えてしまうのも無理はありません。しかし、このような考えを抱いてしまうのはそもそも会社全体の問題なのであって、決してその個人にばかり責任が生じるものではないと感じます。
また、これは邪推かもしれませんが「他の社員の迷惑になる」という考えの裏を返せば「(他の社員が遅く出社・早く帰宅すると)自分も迷惑を被る可能性がある」という不安もあるのかもしれません。いずれにせよ会社全体に制度の周知を徹底するか、運用方法を見直すべきでしょう。
■参考:
・フレックスタイム制度廃止に賛否☆大激論
https://next.rikunabi.com/tech/docs/ct_s03600.jsp?p=000145
・意外と「フレックスタイム」は賛否両論
https://inouz.jp/times/question_flextime/
おまけ:フレックスタイムによる「残業0時間」の罠
自分の労働時間を、自分の裁量で決定できる「フレックスタイム制」。
しかし、この制度を会社が「悪用」するケースも考えられるそうです。
個人的に大変興味深い内容だったので、取り上げたいと思います。
フレックスタイムを「悪用」した事例
こちらの記事に詳しく載っていますが、
■残業が少ない会社ランキングを信じてはいけない:フレックスタイム編
https://tenshoku-walker.com/no-overtime-1/
フレックスタイム制といえど、ひと月の総労働時間は定められているため、毎日コアタイムにのみ出社していては労働時間が不足してしまいます。
そのため「今日は11:00〜16:00の労働時間」で実働4時間(休憩1時間)、そのぶん「明日は10:00〜23:00」の実働12時間(休憩1時間)で、2日で割ると1日8時間勤務という働き方で帳尻を合わせていたとして、それが「個人の裁量」であれば問題は少ないのですが、しかしそれが「会社による半ば強制的な都合」の場合、労働者としては納得のいくものではありません。
ある時は忙しいから「残業しろ」と命令され、ある時は「今日は早く帰れ」と(一見気遣いかのように)命令される。ひと月の総労働時間としては「残業0」の扱いにもかかわらず、なぜか23:00まで残業のように残らされている日が出てしまい、それが常習化しているのであれば、会社都合によるフレックスタイム制の悪用以外のなにものでもありません。
こうした働き方を行っている企業が実際に存在するかどうか定かではありませんが、理論上起こりうる可能性を孕んでいるという問題点もあるようです。
さいごに
いかがでしたか??
メリットもあればデメリットもある「フレックスタイム制」ですが、やはり会社にとっても従業員にとってもメリットの大きい制度であることは間違いないでしょう。
たとえフレックスが「いま自分に必要ない」制度だったとしても、たとえば来月からそのような制度が導入されたと想定してみると「自分の働き方」を、これまでより意識的に見つめ直すきっかけになるのではないでしょうか。
また言うまでもないことですが「フレックスタイム制」は「サボれる制度」では決してありません。「個人の裁量」だからこそ、そこには個人への大きな責任が伴います。会社は従業員を信用し、また従業員も会社を信用し、さらに従業員同士の信頼のもと成り立っているところの大きい制度です。それぞれが、それぞれの立場で真剣に仕事に向き合っているからこそ成立する制度であることを、忘れてはいけないと思います。
はい、それっぽいことを言えた気がするので今回はここまで!!
それでは!!