夏!でも気分は北欧!オシャレ「編み物」で猛暑を過ごす

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こんにちは。ロケッツ4号機です。
自分はほぼ毎日コーディングをしているわりに、細かな作業がトコトン苦手です。
そんな僕の妻は、細かな作業がトコトン得意(≠好き)で、
そんな妻が、ここしばらくハマっているのが「編み物」です。

自宅ではいつも僕のとなりで常に黙々と何かを編んでいるのですが、
この「編み図(*後述)」から、こんな作品ができるのかー
と、いつもスゲーと思いながら「僕には出来ない仕事だな」と感じます。

細かすぎるから。

けれども、妻が編み物を初めてから
大げさに言えば僕の中での「編み物」の概念が覆りっぱなしだったので、
せっかくですし、この場をお借りして
さいきんの「編み物(ニッティング)」事情をご紹介したいと思います。

夏なのに編み物とか、暑い!
とお思いの方。まだ初心者です。

夏に編めば、秋に着られる!

この心意気です。

さいきんの編み物(ニッティング)事情

編み物 = 「おばあちゃん」?

まず、みなさん。正直にお答えください。
「編み物」ときいて、どのようなイメージを持つでしょうか??

おそらく人類の9割が

「編み物」=「おばあちゃん」

と思い浮かべたことと思います
「アイパー滝沢」を思い浮かべた人は残る1割側の人間です。

そうなんです。「編み物」といえば長らく「おばあちゃん」の特権。
若い者の進出を妬み拒むニット界のヒエラルキー、その頂点に「おばあちゃん」が君臨しておりました。


*[図1 – 編み物界のヒエラルキー]

しかし、若者はいいます。
「ヒエラルキーとかどうでもよくね?」
「そーいうの疲れるんだけど」
「あー、森で暮らしてえ」

そうです。これが近年若者にブームの「スローライフ」思想です。
この思想が若者のあいだに蔓延し、都心から地方へ。マキシムからミニマムへ。モノからコトへ。
ヒエラルキーから、ホラクラシーへ。

こうした時代の変容により、ヒエラルキーやイメージなど既成の概念とは無縁のところから、自然的に若者は「編み物」に興味を持つようになりました。
その背景にあるのは近年の「北欧ブーム」でしょう。国内にも海外のオシャレな編み物メーカーが進出しており、若者でも「手に取りやすい」編み物グッズが流通するようになったことが大きな要因となったはずです。さらに「minne(ミンネ)」や「Creema(クリーマ)」などのハンドメイド販売ウェブサイトが好調なように「ハンドメイドブーム」が編み物のブームに連動して後押しするところもあるでしょう。

ファッションとしての「編み物」

さて。とはいえ「編み物」=「おばあちゃん」というかたも多いはず。
そんな人たちにまだ残っているのは、このようなイメージではないでしょうか?

編み物 =「ダサい」

はっきり言うと「編み物ってダサくね?」というイメージです。
地味で、陰気な、なんかよくわからないイニシャルの入った手編みのセーター。

それもまた「固定概念」です。
先述のとおり、いま北欧のおしゃれニットメーカーが国内に進出しており「編み物」のファッション性が高まっています。
そもそも「編み物」というからダサいイメージがつきまとうのであって「ニット」と言ってしまえば馴染みあるファッションアイテムのひとつに感じられるでしょう。おなじみグッチやヴィトンといったハイブランドも毎年ニット製品のコレクションを発表しています。ではなぜ「編み物」がダサかったのか。理由のひとつに「パターンがダサかった」という原因を見出すことができるでしょう。「パターン」とはデザインの「設計図」のことです。「この通りに編めばこのニットが編めますよ」というものなのですが、やはり先述のヒエラルキーに寄せてパターンも作成〜販売されるため、どうしても「時代遅れ」なデザインが多くなりがちです。

しかし最近では若年層にも「ファッション」としての「編み物」が広がりつつあり、デザイン性の高いパターンも販売されています。あの世界的デザイナーの山本耀司さんや「UNDERCOVER」の高橋盾さん、「A BATHING APE®」のNIGOさん、そしてピーコ(おすぎの兄)も通っていた文化服装学院(東京都渋谷区)。同校が設立した出版社「文化出版局」が出版している編み物パターンの書籍はどれも秀逸。ページを開くとこれまでわたしたちが勝手に抱いていた「編み物の概念」を180°覆すようなパターンに出会えることでしょう。

「編み物=ダサい」はもう古い!
「編み物=ファッション」としての編み物に、触れてみませんか?

編み図(パターン)


編み物は基本的に「編み図」に沿って編んでいきます。
「編み図」とはデザインの設計図で、編み図通りに編むと希望のニットが出来上がるというシロモノです。

「なんだ。その通りに編めばいいのか。カンタンじゃん」

と思いきや。まずはじめにつまづくのが「編み図の読み方」。
編み図は、一般的に設計図と呼ばれるもの同様、独自の「記号」で溢れています。
その「記号」になれるまでが、とても大変だそうです。

編み図には主に「日本語パターン」と「英文パターン」の二種類あります。
まずは日本語パターンから。

日本語パターン例

http://kyoto-terai.com/pattern/cl_02.pdf
*「コロラートでつくるベスト Free pattern」寺井株式会社 様

まあ、なんのこっちゃわからないですよね。僕もわからないです。
しかし経験者(妻)いわく「ぜんぜん簡単なほう」とのこと。
リンク先画像の右側にある四角形の図が「編み図」なのですが、独自の記号で張り巡らさせているのがわかります。
この通りに編めば、写真のようなニットが完成するのですが、やはり初心者にはきびしいところ。
またまた経験者(妻)いわく「やればできる」だそうです。

英文パターン例

https://www.yarnspirations.com/on/demandware.static/-/Sites-master-catalog-spinrite/default/dw2b879f63/PDF/BRK0114-003688M.pdf
*「BERNAT SLOUCHY SWEATER DRESS, XS/S」Yarnspirations

まあ、記号というか英語ですよね(僕にとってはどっちにせよ記号ですが)。まず英語読めなきゃできないですよね。
しかし経験者(妻)いわく「英文パターンのほうが(日本語よりも)楽」とのこと。
「だって書いてある通りに編めばいいから」とのことですが、それができないから困ってるんです。
ご覧の通り、英文パターンは全部英文。
まず英語がわからないとそもそも編めないのですが、出てくる単語はだいたい決まってくる(編み物に関する単語)ので、編んでいるうちにスラスラと読めるようになるそうです。
またまたまた経験者(妻)いわく「やればできる」だそうです。

糸(ヤーン)について


「編み物」には、当然「糸(yarn:ヤーン)」が必要です。
この糸もまた奥が深く、編みたい作品によって糸の「材質」「太さ」「色」を適切に選定しなければなりません。
色に関しては好みですが「材質」と「太さ」は重要です。

糸の「材質」は主に「ウール」「アルパカ」「リネン」「コットン」「シルク」「アクリル」「ポリエステル」などがあり、これらを混ぜ合わせて1本の糸とする場合もあります。材質によって完成品の肌触りが変わってくることはもちろん「編みやすさ」にも影響があるらしく「針(金属か木材か)」と「糸」との相性によって、滑りすぎす、引っかかりすぎずの丁度いい塩梅があるそうです。

糸のブランド・メーカー

ここで有名・話題の糸のメーカーをいくつかご紹介します(国内外順不同)。

ISAGER(イサガー)

公式サイト
北欧、デンマークの糸ブランド。アルパカやコットンを使用した糸の質感はまるでなめらかプリン。
また色も上品で、ニュアンスカラーの多い印象。
少々価格ははるものの、それに見合う価値は十分にあるはずです。

Moeke Yarns(モーケ ヤーンズ)

公式サイト
ルーマニアの糸ブランド。
ローマのメリノウールを使用した糸で、色はとてもシンプル。味わいのある質感。

Holst garn(ホルスト ガーン)

公式サイト
こちらもイサガー同様、デンマークの糸ブランド。
ウール・コットンを使用した糸で、カラーも豊富。
質感的には若干ゴワゴワした印象はあるものの、洗えばフワっとした仕上がりに。
糸が若干ワイルドな匂い(たぶん羊の匂い)がするのと僅かに牧草が混じっている場合もありますが、そこはご愛嬌。

RichMore(リッチモア)

公式サイト
こちらは国内大手毛糸メーカー、ハマナカ株式会社が展開するブランド「RichMore」。
海外メーカーに比べて、ビビットなカラーが多い印象。
単色から段染め糸、モール系の糸まで豊富に揃っています。
個人的には「RichMore Mola」が好みの配色だったのですが、廃盤になりました。

内藤商事株式会社

公式サイト
こちらも国内の毛糸の製造・販売を行う会社です。
数ある毛糸のうち「EVERYDAY(エブリデイ)」というシリーズは、アクリルながらとってもなめらかな質感で、いつまでも触っていたくなるような肌心地です。

編み物ショップ(首都圏)

amirisu(アミリス)

公式サイト
東京のオシャレエリア、南青山にある毛糸ショップ。イサガーをはじめいろんなオシャレニットグッズを販売しています。
さいきん移転したそうですが前はもう少し表参道寄りにあって、マンションの一室にショップがあったのですが人の家にお邪魔するようなアットホームな(不思議な)感覚のお店でした。
移転後、まだ行けていないので是非足を運んでみたいです。
関西だと京都(四条烏丸近く)にもお店があります。

moorit(ムーリット)

公式サイト
こちらも東京のオシャレエリア、世田谷の二子玉川(にこたま)にある毛糸ショップ。
世界中から集められた美しい糸・上質な糸が揃っています。
もともと丸の内のKITTE(キッテ)に入っていたのですが、こちらもさいきん移転しました。
こちらも関西だと大阪の北浜に店舗があります。

Keito(ケイト)

公式サイト
こちらは浅草にある日本ヴォーグ社運営の毛糸ショップ。
輸入物の毛糸を豊富に取り揃えており、見ているだけでも楽しいショップ。
こちらも移転して今の店舗とのことですが・・・毛糸ショップあるある「移転しがち」。

オカダヤ新宿店

公式サイト
こちらは手芸総合専門店「オカダヤ」の新宿店。
主に国内メーカーの毛糸の取り扱いが多い印象があります。
毛糸のみならず布や手芸小物の取り扱いも豊富。
新宿といえばオカダヤ。オカダヤといえば新宿。

石渡糸店

個人ブログ
*「【東京・六本木】輸入毛糸超専門店【石渡糸店】でキラキラ毛糸沢山買ってきました!」ニットデザイナーCHASSAのブログ より
*公式サイトなし
六本木のど真ん中に位置する毛糸店。
輸入毛糸の取り扱いが豊富で、他では入手の難しい珍しい毛糸が揃っています。
六本木は戦後、外国人の街として発展した歴史があるそうで、お店もその系譜を辿っているのかもしれないな等と考えを巡らせてみたりしながら選んでみてください。

三ッ葉屋

timeout
*公式サイトなし
青山一丁目駅すぐにある毛糸ショップ。
こぢんまりとしたショップですが、毛糸や書籍のラインナップは充実しています。
オシャレエリアながらも、ここだけのんびりとした空気が漂っているので、抵抗なく入ってみてください。笑

さいごに


いかがでしたか?
「編み物」はおばあちゃんがやるものだと思っていたあなたも、少しそのイメージが変わったのではないでしょうか。
ただ、僕は思うんですが、あれだけ複雑な編み図を、おばあちゃんがやっていると思うだけでかなりおばあちゃんリスペクトなんですが・・・。
編み物界のヒエラルキーの頂点に座するだけの能力・経験は伊達じゃないですね。

*本ブログで使用した画像は全て妻の私物および制作ニットです。

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