こんにちわ。お盆休みも終わってしまいましたね・・・
早くも正月休みを今か今かと待ちわびる今日この頃。
突然ですが皆さん、文字を「書いて」いますか?
パソコンやスマートフォンが普及しまくって久しい昨今、
手書きで文字を書く機会がめっきり少なくなってしまいましたよね。
私も仕事柄、ちょっとしたメモを取ることすら、ついついパソコンのメモ帳で行う始末。
たしかにパッとメモできて便利なのですが、しかし・・・
利便性の裏で私たちは何か大切なものを忘れてしまってはいないでしょうか?
そう。「手書きの大切さ」です!
手書きの文字には、書く人の真心と温もりが込められいるもの。
人生で一度は手書きのラブレターを貰いたかった・・・
そこで今回ご紹介したいのは、筆記具の王様「万年筆」!
「わざわざ万年筆使うのってキザじゃない?」
「なんだかオジサン臭くない?」
「ボールペンとかシャーペンで全然十分だし・・・」
そんな人にこそ、オススメしたい万年筆。
かくいう私も、万年筆にはもともと興味はありませんでした。
決して字も上手くないし、学校を卒業した今や文字を書く機会がほとんどない・・・
けれども1本、万年筆を持ってみるとあらふしぎ。
どんどんと文字が「書きたく」なってくるんです!
メモや日記はもちろん、ほんとうにただ文字を書きたいという理由だけで、
パッケージの裏の成分表を延々と写し書きしていた・・・なんてこともザラ。
万年筆は、純粋に「書く」ことの楽しさを私たちに発見させてくれます。
そんな万年筆の魅力の、ほんの一端をここにご紹介いたします。
万年筆の魅力
1:長時間の使用でも疲れにくい
多くの万年筆は長時間文字を書いていても疲れにくいように設計されています。
グリップの握り心地や、ペン先の滑らかさなど細かな点において綿密なデザインがなされています。
昔は文字を書く道具が万年筆しかなかったとはいえ、たとえば小説家が何万字と文字を書き連ねるなかで、自分の愛用の万年筆を見つけ保有していたというのは、この「疲れにくい」という理由もあるからでしょう。
とにかく、数百円のボールペーンやシャープペンシルとは書き味のレベルが全然違うのです。
2:自分だけのインクを見つける喜び
万年筆は自分の好みのインクを入れて使用します。
インクの種類は様々で、あらゆるメーカーが多種多彩なインクを製造・販売しています。
色も千差万別で、同じ黒色でも僅かに紫がかっていたり、青味がかっていたりなどバリエーションも豊富。
最近では自分だけのオリジナルインクを作れるお店も登場していますよね(カキモリ[東京都台東区])。色々な中からお気に入りのインクを見つける喜びも、万年筆の楽しみのひとつなのです。
3:「書いている」という感覚が味わえる
万年筆はボールペン等とは異なり文字を「書いている」という感覚を直接、感じられる道具です。
ボールペンやシャープペンシルの場合、割とどのように使用しても均一に文字を書くことができます。
しかし万年筆の場合、万年筆の種類はもちろん、持ち方やペン先の種類、インクの種類によって「書き味」が全く異なってきます。
たとえば、ペン先の素材には大きく「金」と「ステンレス」のいずれかが使用されています。
金は柔らかく書き味も「滑らか」で、一方ステンレスは金と比較して「硬い」書き味が特徴です。
有名なところではモンブラン(MONTBLANC)の万年筆には金が使用されており、一方LAMYのサファリシリーズにはステンレスが使用されています。
またペン先の太さによって線幅が変わるため、インクの出る量も変化します。つまり、そのためにインクに「濃淡」が生じるのです。
太いペン先になればなるほどインクの出る量も多くなるため、文字に滲むインクの濃淡に変化が生じやすくなります。
そのような一見ムラのように見えるのもまた、万年筆ならではの書き味として好まれる所以となるのです。
ちなみに万年筆はペン先の角度が決まっているため、きちんと持たなければインクが出づらくなり、かすれの原因となってしまいます。
このような若干の手間がかかるものの、返ってそのことが「書いている」という感覚や喜びを手に覚えさせてくれるのです。
4:万年筆自体のデザイン性
万年筆の大きな魅力、やはり万年筆それ自体の「デザイン」です。
たとえばモンブランのマイスターシュテュックは黒いボディに金色のペン先、クリップがどっしりとした高級感を醸し出しています。
同じくマイスターシュテュックでも、ボディは黒色のままクリップがシルバーの種類もあり、こちらは洗練された印象を与える1本です。
またデルタのドルチェビータは鮮やかなオレンジ色のマーブル模様が人気の1本。こちらは沢尻エリカさんが映画で使用した万年筆としても知られています。
ペリカンのスーベレーンもまた人気の1本です。深い緑に縞模様のシンプルながらも格調高いデザインが年齢問わず愛用者の多い所以でしょう。
ちなみにスーベレーンはカラー展開も豊富なため、自分の好みの色合いを探してみるのも楽しみのひとつでしょう。
5:「手間」に愛着を感じる
万年筆は非常に「手間」がかかります。ペン先のわずかな歪みが書き味に影響を与えますし、インクが詰まったり間違った使い方でペンが痛んでしまうこともあります。
永く使い続けるには、それなりのメンテナンスが必要となるためその分手間のかかる道具なのですが、しかしだからこそ愛着が湧くことも事実です。
たとえば革製品も同様、定期的なメンテナンスが必要となるように、万年筆もまた自分の手で手入れし、丁寧に扱い、大切に使い続けてこそやがて「自分だけの万年筆」となるのです。
万年筆の種類
ここで、万年筆の主要メーカーを5つご紹介します。
万年筆のメーカーは国内外問わずたくさん存在しています。そのため購入時に迷いがちなのも事実・・・
「はじめの1本、何を買えばいいかわからない」という方、ぜひ参考にしてみてくださいね。
[舶来メーカー]
1:モンブラン(MONTBLANC)
やはり万年筆といえばモンブラン!モンブランといえば万年筆!
万年筆ユーザーがいつか1本は所有しておきたいと憧れる1本、それがモンブラン(MONTBLANC)。
1906年創業。元はドイツ起源のメーカーなのですが、色々あって今はスイスのリシュモングループ傘下に置かれています。
特に「マイスターシュテュック」シリーズはモンブランの中でも中核を担うモデルです。
その中でも軸経やペン先の太さから146、149、164・・・など細かく分類されています。
ペン先には金が使用されており、また軸のバランスも良く、滑らかな書き味と安定感が特徴的です。
2:ペリカン(Pelikan)
モンブランに並ぶ世界の2大万年筆メーカー「ペリカン」。
1832年設立。こちらもモンブラン同様、ドイツに起源をもつメーカーですが、今はスイスに拠点を置いています。
縞模様で馴染みのある「スーベレーン」は、今も昔も変わらず同社を代表するロングセラーとして知られています。
こちらもモンブラン同様、ペン先には金が使用されており、非常に滑らかな書き味が特徴的です。
カラーバリエーションも豊富、縞模様には1本1本の個体差があり、デザインが微妙に異なるというポイントもコレクションの楽しみを引き立ててくれます。
スーベレーンはモンブランの各ラインと比較しても安価ながら、使用感は申し分なく、高級ラインの入門編としてもしばしば挙げられるシリーズです。
3:アウロラ (AURORA)
アウロラ社はイタリアの初めての万年筆メーカーです。
1919年創業。「MADE IN ITALY」にこだわり、全てのパーツをイタリアで生産しています。
なかでも「オプティマ」はアウロラを代表する人気ラインで、鮮やかな青のマーブル模様が美しい1本です。
モンブランやペリカンと比較して、若干ひっかかりのある書き味が特徴です。好みの分かれるところですが、その書き心地ゆえの愛好者がたくさんいます。
また「アスティル」「テッシー」といったモデルはニューヨーク近代美術館(MOMA)に永久保存されており、工業デザインの観点からも高い評価を得ています。
4:デルタ(Delta)
アウロラ同様、イタリア発の万年筆メーカー「デルタ(Delta)」。こちらは創業1982年と比較的新しいブランドです。
代表的なラインに「ドルチェビータ」があります。同軸が太く重量感があり、インク乗りの厚さが特徴です。
しかし「ドルチェビータ」は個体差が激しいようで、良いものは良いけれど、ハズレに当たってしまうこともしばしば。
(「出荷分の半数が返品される」という噂もあるほど・・・)
モノによっては調整の手間がかかってしまうかもしれませんが、それを踏まえてもこれ以上ない書き心地にハマってしまうユーザーが多い1本です。
5:ラミー(LAMY)
1930年ドイツにて創業。本国のみならず世界中で愛用者の多い筆記具メーカーです。
LAMYの万年筆といば「サファリ(safari)」シリーズでしょう。
そのカラフルなバリエーションと、バウハウスの精神に則り「使いやすさ」をデザインに落とし込めた究極の1本とも呼べる万年筆です。
ペン先はステンレスのため、モンブランやペリカンなどと比較すると滑らかさには欠けますが、
長時間の使用でも疲れにくい設計のため、仕事にプライベートにと、あらゆるシーンでラフに使える点がメリットです。
また比較的安価(3千円程度)のため、入門の1本としても最適な万年筆です。
[国内メーカー]
国内メーカーも万年筆の製造に力を入れています。
ここでは万年筆国内三大メーカーと呼ばれる「セーラー万年筆」、「パイロット(PILOT)」、「プラチナ萬年筆」の3社をご紹介します。
国内の万年筆の特徴は、いずれも日本語を書くことに適した作りがなされているという点でしょう。
細かな漢字や小さな文字でも書きやすく、インクフローを少なめに抑えていたり、またペン先も外国製と比較して細い製品が揃っています。
1:セーラー万年筆
1932年創業。日本初のボールペン製造で知られる筆記具メーカーです。
代表的なモデルに「プロフェッショナルギア」があります。
ペン先が21金なので比較的柔らかく、細字ながらも滑らかな書き味が特徴です。
2:パイロット(PILOT)
1918年創業の国内老舗文具メーカー。万年筆のみならずあらゆる文具でお世話になっている方も多いことでしょう。
そんなパイロットの万年筆で有名なのが「カスタム74」シリーズ。
細さに合わせたペン先の種類の豊富さ(全11種)と、トメ・ハネといった日本語の特徴に適した書き心地に定評があります。
(※写真)
3:プラチナ萬年筆
1919年創業。社名にもあるように創業時より万年筆の販売からスタートしたメーカーです。
プラチナでは「#3776 センチュリー」が有名です。
「スリップシール機構」と呼ばれる仕組みによりインクの乾きを抑えることができ、手入れが楽という使いやすさがメリットです。
メンテナンスの手間が省けるという点で、初心者にもおすすめの1本といえます。
さいごに
いかがでしたか?万年筆と一概に言えども、実に多様なラインナップで製造・販売がなされています。
LAMYのような機能美を追求したデザインがある一方で、調度品かと見紛うほどに装飾がなされた万年筆も存在するなど、
見ているだけで楽しめるのも、万年筆の魅力のひとつでしょう。
本当はインクについてもご紹介したかったのですが、それについてはまた別の機会に。
実はインクも、万年筆以上に種類が豊富なので一度ハマってしまうと抜け出せない(通の間では「インク沼」と呼ばれる)魅力が隠されているのです・・・。
では最後に自慢します。
私の自宅にて所有している万年筆たちをご覧ください。
1:モンブラン マイスターシュテュック 146
2:モンブラン マイスターシュテュック 145
3:ペリカン スーベレーン M405 青縞
4:プラチナ万年筆 #3776 バランス 超極細
5:LAMY safari 白/アップルグリーン
以上、自慢でした!(ケータイの写真でスミマセン・・・)
ぜひこれを機に万年筆を実際に手にとってみて、文字を書く楽しさを味わっていただけると幸いです。
大切な人への連絡も、いつものLINEではなく、たまには手書きの温もりで・・・
※この記事で記した万年筆の書き味などは個体差や紙との相性もあるため個人の見解を十二分に含むものです。あくまで参考程度にご参照ください。
※万年筆の専門店などでは実際の書き味を試すことができることがほとんどなので、興味のある方は実際に足を運んで試してご覧になってください。
※ここに書いている記事は全て妻からの受け売りです。LAMYを除き、万年筆もほとんど妻の私物です。