「文章力ってなんだよ!」と思った時に知ってほしい10の文章上達法

コンサルロケッツニュース

こんにちは。フロントエンドエンジニアの4号機です。

春ですね。先日は僕の誕生日でした。
両親からは「健康サンダル」、妻からは「安眠枕」をプレゼントしてもらいました。
30歳を超えると、プレゼントが急に現実味を帯びてきます。

はい。本題です。

みなさん、文章を書いていますか?
「活字離れ」が話題の昨今。そうとはいえ「読み書き」の機会は意外と多いもの。
例えば学生は「レポート」や「論文」、社会人なら「クライアントへのメール」や「報告書」など、案外わたしたちは日常的に文章を「読み書き」しているものです。

しかし!文章を「書く」ことが苦手という方も多いのでは?
そんな人は、たぶん以下のケースに当てはまるはず。

・なにを書いて良いか分からない。
・自分の文章には魅力がない。
・長文を書くのが苦手だ。
・文章だと自分の主張を伝えづらい。
・直接会話したほうが早いし効率的だ。
・そもそも書くのも読むのも面倒だし、嫌いだし、大嫌いだ。

上記の項目が1つでも当てはまったアナタ。大丈夫。怯えないでください。
文章は決してあなたに噛み付いたり、毒を盛ったり、
ましてや夜中に枕元にやってきては、枕をひっくり返したりもしません。

いちおう自分は大学で「文学」を専攻していました。
もともと「読む」ことは好きだったのですが、しかしずっと「書く」ことは苦手でした。
正直いまも苦手です。「もっと上手に書けたら…」と思いながらブログも書いています。
けれど、文章を書くことが好きで、極端に言えば「愛して」います。妻の次くらいに愛しています。

ここでは、文章を書くうえで基本的な事柄を10項目、ご紹介します。
「彼を知り己を知れば百戦殆(あやう)からず」
そう昔の中国人が言っていたらしいですが、まずは基本を知ることで「書く」ことの恐怖心を払拭してみましょう!

目次

■1)ずばり「文章力 = 論理的思考力」である
■2)あなたの「スタイル(文体)」を手に入れよう
■3)文章の「リズム」を感じてみよう
■4)「着地点」を見さだめよう
■5)文章に行き詰まったら「直前の文章」を見直そう
■6)ボキャブラリは「類語辞典」で増やそう
■7)何度もじっくり「読み直し」をしよう
■8)読者の「自由な営み」を尊重しよう
■9)しのごの言わずに「本」を読もう
■10)「嘘」を書こう

■1)ずばり「文章力 = 論理的思考力」である


文章力とはつまり「論理的思考力」です!
たとえば「○○は△△である」という文章(命題)は、その論理的な裏付けを必要とします。
「彼女は男性である」こんな一見ふしぎな文章も論理的な裏付けがあれば、たちまち魅力的な文章へと変わります。また接続語(そして・また・やがて・つまり・しかし・ゆえに…など)は言葉の意味を「論理的に繋げる」役割を果たします。接続語はその使い方によって文章全体の意味を大きく変化させます。たとえば…

・A:怪我をした。だから私は病院に行く。
・B:怪我をした。しかし私は病院に行く。

Aの文章はいたって普通ですが、Bはイマイチ意味がわかりづらかったと思います(なんだかワケアリな印象を与えます)。わたしたちが普段何気なく使用している「接続語」に、少し意識を傾けるだけで文章力は飛躍的に向上します。

■2)あなたの「スタイル(文体)」を手に入れよう


「文体」は文章の上手・下手を大きく左右します。
たとえばスポーツにしても、選手ひとりひとりのプレースタイルが全く異なるように、文章も書き手ひとりひとり「スタイル」が全く異なるものなのです。
その「スタイル」こそ、つまり「文体」に他ありません。
たとえば村上春樹は、しばしばそのユニークな文体で注目を浴びる作家です。
以下の文章は、自分なりに勝手に村上春樹の文体を模写(パスティーシュ)したものです。

僕が「だんご」について考えはじめたのは、17歳の冬だった。
「だんごは、いつから丸いのかしら?」と彼女は言った。
それは、あくまで形而上的な問いかけに過ぎなかったのかもしれない。
やれやれ。僕はどうして「だんご」について考えなければならないのだろう。

いかがですか?
一度でも読んだことのある人は、なんとなーく村上春樹っぽい印象を受けませんでしたか?
また作家、町田康もクセの多い文体で知られています。

まったく散々である。せっかく焼いた魚を野良猫に取られたからではない。
小生はこれでも物書きとして日銭を稼いでいるのであって、そんな程度でふてくされていてはあかんのだ。
しかし、ではなぜこんなくさくさとした気持ちなのだろう。
小一時間、壁に掛かった時計を眺めながら、ようやくわかった気がした。
ただただ、生きていることがとても辛いのである。あばば。どうしようもない。

これも適当に町田康っぽい文体を真似たものなのですが、先の村上春樹風の文体と比較して、その全てにおいてスタイルが異なっていることがわかるはずです。「文体」はそこに書かれた「内容」以上に、その文章自体の「表現の可能性」を左右します。

ただ、文体の習得にはかなりの時間と訓練を要します。しかし「自分だけの文体」を手に入れることができれば、きっと文章を書くことがもっと楽しくなるはずです。とにかく「書いて書いて書きまくる」しか習得の方法はないのですが…まずは手始めに、お気に入りの作家の文体を真似てみるのは良いスタートかもしれません。

■3)文章の「リズム」を感じてみよう


文章は「リズム」がとっても大切です。良い文章は、例外なく「良いリズム」を刻んでいるものです。
そのわかりやすい例が「俳句」や「短歌」といった詩(ポエトリー)でしょう。たんに情景や心理を描写するのでなく、定型の音律(五・七・五(七・七))に乗せることで「読みやすく」「声に出して心地よい」言葉を生み出しています。

しかしリズムは詩の特権というわけでは決してありません。小説やエッセイなどの散文においてもリズムは重要な要素なのです。散文におけるリズムで特に意識したいのが「句読点」と「接続語」です。たとえば…

A:この魚は煮物にしてみても美味しいけど刺身でも美味しいから、僕は今日は刺身にしてみて食べることにした。
B:この魚は煮物にすると美味しい。だが、刺身にしても美味しい。だから僕は今日、刺身で食べることにした。

Aの文章はだらだらとしたリズムが続き、かつ視覚的にも読み難い文章になっています。
かたやBの文章は、句読点が適切に打たれ、かつ接続語がリズムを生んでいます。また視覚的にも読みやすくなったと思います。

「んなこと言われてもわかんねーよ!」という方は、自分の書いた文章をまずは音読してみると良いでしょう。途中で少しでも言葉に詰まったり、読みづらいと感じる箇所があったなら、それは「リズムの悪い」文章です。

■4)「着地点」を見さだめよう


文章を書くことは、しばしば「うまくジャンプすること」に例えられます。

まず「ジャンプ地点」があり、そして「高く飛ん」で、しっかりと「着地」する。
つまり「導入(ジャンプ地点)」→「内容(高く飛ぶ)」→「結論(着地)」です。
どれだけ高く飛べたとしても、着地につまづいてしまえばそのジャンプは失敗です。
これは自分もよくあるのであまりエラそうに言えないのですが…特に長い文章を書いていると、しばしば「着地点」が見えなくなってしまうことがあります。

「おいおい!どこまでジャンプするんだよ俺!このまま着地したらケガするぞ」
こんな場合はだいたいが着地に失敗してしまうか、もしくはふわふわとジャンプしたままの文章、つまり「要点の掴めない駄文」となってしまうのです。

「着地に失敗しそうだ」そう感じた時は早い段階で着地点を定め直すことが必要です。
では、どのように軌道を修正すれば良いか。そのヒントは次の「5」で説明します。

■5)着地点を見失ったら「直前の文章」を見直そう


文章を書くうち、どうしても「次の一文」が思い浮かばなくなることがあります。
いわゆる「文章に詰まってしまう」状態。

そんな時は「直前の文章」を見直すだけで改善できることがほとんどなのです。

これは物書きの「秘訣」に近いものなのですが、行き詰まった箇所の「直前の」文章を思い切って削除してみてください。するとあらふしぎ。あれほど思い浮かばなかった「次の一文」が、スラスラと浮かんでくるではありませんか。たとえ「直前の」文章がとても上手く書けていたとしても、行き詰まってしまったなら、その文章が枷(かせ)となっているのです。

上手くジャンプできなくなっているのは、その自らはめた枷のせいです。
その枷を自らで外すことの「勇気」を持ちましょう。

■6)ボキャブラリは「類語」で増やそう


短いスパンにおける同一単語の頻出は、どうにも具合の悪い文章となります。
たとえば…

A:僕は新しい服を買った。そして古い服を捨てた。そして僕は新しい服を着て街に出た。
B:僕は新しい服を買い、古い服を捨てた。そして買ったばかりの服で街に出た。

Aの文章では接続語「そして」が重複しています。これは口語体にありがちですが、文語体では余計な印象を与えます。
さらに「新しい服」を「買ったばかりの服」と言い換えることで、くどくどしい印象を避けました。このように重複した言葉を削除したり、別の言葉(類語)に言い換えながら、文章の「最適解」を導くことが大切です。ちなみに、その作業にとても便利なのが「類語辞典」です。Web上にも類語辞典は公開されているので、どんどん活用しながら文章のボキャブラリを増やしていきましょう。
類語辞典・シソーラス・対義語 – Weblio辞書

■7)何度もじっくり「読み直し」をしよう


文章を書き終えたときは、「必ず」はじめから読み直しましょう。

誤字脱字はもちろん、声に出した時のリズムや言い回しの流麗さ、接続語などに注意しつつ、何度もじっくり読み返すことが大切です。気になった箇所は、その都度添削(書き直し)を行います。最後まで読み終えたら、再度あたまから読み直しを行います。このサイクルを何度も繰り返し「もう書き換える箇所はない!」と納得のいくまで、徹底的に何度も何度も書き直しを行いましょう。

ただ書き直す回数は良い文章に比例するとは限りません。何度も書き直すうちドツボにはまり「悪くなってしまう」ケースも十分に有りえます。
しかし、はじめはそれでも構わないと思います。まずはじっくり自分の文章に向き合いましょう。
やがて「良い文章」「悪い文章」の分水嶺を画する基準を身につけることができるはずです。

■8)読者の「自由な営み」を尊重しよう


文章(活字)は、映画や漫画などあらかじめ映像を伴うメディアとは異なる「画(え)」のないメディアです。それゆえ突き当たるのが「どこまで書くか(描写するか)」という問題です。

例えば、映画のワンシーンで主人公が街を歩いていたとします。街の風景や行き交う人の様子、天気、季節、朝か夜か…映画の場合、そのような情報はくどく説明せずともそこに「映像」として切り取ることが可能です。しかし文章でそれらを伝えるには、全てを何らかの「文章」として表現しなければなりません。とはいえ全てをこと細かに伝えてしまえば下手な作家となっていまします。

いわゆる「不安な書き手」は、頭のイメージを全て文章に起こさなければいけないと考えます。しかし「賢い読者」は、そこに書かれたこと以上の情報を文中から読み取ろうとします。書き手はそのような「自由な営み」をあらかじめ尊重し、かつ信用している必要があります。

つまり「あまり綿密に描き込まずとも、読者は理解する」のです。

■9)しのごの言わずに「本」を読もう


良い文章を書きたいのなら、とにかくひたすら「良い文章」を読みましょう。

とはいえ「ビジネス書」や「新書」といった類の書籍をいくら読んだからといって、それが文章力の向上に繋がるとは自分は考えていません。なぜなら、それらの書籍の重点が「内容」のみにあるからです。たしかに表現や文体、リズムといった創意工夫はそのような書籍においても工夫はされているでしょう。では、どうしてダメなのか。それは「私たちもまた意識が『内容』にのみ向けられている」からです。

おすすめなのは、小説やエッセイ、詩といった「文章それ自体」に価値のあるジャンルです。普段ビジネス書は読むけれど小説はあまり…という方も、まずはミステリでも何でも構いません。小説を読みましょう。そして内容のみならず、そこに書かれた「文章の良し悪し」にも着眼してみましょう。

■10)「嘘」を書こう


最後になりましたが、ここで文章を書く「最大のコツ」をお教えしましょう。

それは「嘘を書く」ことです。だからといって、ただたえだ嘘を書き連ねるのではありません。重要なのは、嘘の「割合」です。これはあくまで自分のレシピですが「真実95%:嘘5%」の割合で文章を書けば、バランスの丁度いい文章に仕上がると感じています。隠し味です。

もしかすると、みなさんのなかに「嘘をつくのはダメだ!」という正義感の強い方がいるかもしれません。それはそれで結構な心構えだと思うのですが、しかしここで自分が主張したいのは「嘘を書くことは、決して読者を『騙る』ことではない」ということです。

そもそも、小説などのフィクションは「フィクション(虚構)」を前提としています。つまり小説とは、一冊まるまる「嘘」なのです。そう思うとすごくないですか? しかし作家は「嘘を書いてやるぞ!」と凄んで小説を書くのではありませんよね。むしろ「真実を描きたい」という一心で書くはずです。要するに小説というのは「フィクション(虚構)」を通じて「真実」を描く営みなのです。

ドキュメンタリやエッセイ、ブログといったある種「真実味」の強い文章であっても、基本的には「小説」と同様だと思っています。ドキュメンタリーであからさまに嘘を描くようなことはできないでしょうが、細かな点や表現において「嘘」をつくことはあるでしょう。例えばNHKの大河ドラマは歴史上の人物を取り上げた物語ですが、細かなセリフやシーン、人物描写などを当時と全く同じにすることは不可能です。史実と視聴者を上手に繋げることもまた「フィクション(虚構)」の大きな役割のひとつなのです。

ふしぎなことですが「真実」のみを述べた文章はとても退屈な印象を与えます。しかしそこに多少の「嘘」を混ぜるるだけで文章は「命」を宿し、瑞々しく語りかけてくるようになるのです。

さいごに

いかがでしたか?

ここでご紹介した方法を意識すれば、きっと良い文章に近づけるはずです。
しかし、やはり文章も一朝一夕で上達するものではありません。
まずは本を読む習慣をつけることから始めてみましょう!

ちなみに自分は今年に入って1冊も本を読んでいません!
そもそも書くのも読むのも面倒だし、嫌いだし、大嫌いなんです!

ほな、また!

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